【水中ドローンCHASING M2で水中に沈んでいるタウシュベツ川橋梁の撮影に挑戦】

水中ドローン×タウシュベツ川橋梁

港湾の設備点検、養殖場の管理、レジャー利用などで需要が高まりつつある水中ドローンを写真家の岩崎量示さんにテストしてもらい、水中ドローンの性能をチェック。

レポート／AIRSTAGE帯広水中ドローン担当：橋尾一志

タウシュベツ川橋梁とは

旧国鉄士幌線の廃線跡。糠平湖周辺に残るアーチ橋梁群のひとつ。タウシュベツ川にかかる長さ130ｍのコンクリート製アーチ橋。糠平湖の水位が上がる6月ごろから沈み始め、8月ごろには湖底に沈む。ダムの水量が減る一月ごろに凍結した湖面から姿を現す。水流と凍結による浸食を受け、年々崩壊が進んでいる。

そんなタウシュベツ川橋梁を水中ドローンCHASING　M2で撮影をお願いした。撮影に協力していただいたのは、タウシュベツ川橋梁を撮り続けて17年の写真家岩崎量示さん。岩崎さんは水中ドローンの操縦や撮影は初めて。しかし、普段から岩崎さんは空中ドローンを使っての空撮も行っているので、操作系統の同じ水中ドローンの操縦はお手の物。少しの練習時間で、意の

ままに操っていた。岩崎さんは操作感について、「思っていたより速く動く。」とおっしゃっていた。

撮影が行われた7月下旬の糠平湖は、水中の視程が1～1.5ｍ程しか無い。目標を捉えるのが難しかったが、送信機と本体をつなぐコードに浮力があるので機体の場所のある程度の目印になる。岩崎さんの経験と、水中ドローンの操縦性の良さで見事タウシュベツ川橋梁を捉えることが出来た。

特徴的な欄干とアーチ上部の撮影に成功。他にも様々な角度からタウシュベツ川橋梁を撮影できたので、もっと見たい方はぜひ岩崎さんのホームページを見に行ってほしい。

岩崎さんのホームページ：r-y-z.net

CHASING M2の性能

今回使用した水中ドローンはCHASING M2。CHASING社のラインナップで産業用に位置付けられている本格派だ。8つのスラスター搭載で機体の安定性、ホバリング性能は非常に高い。

・高性能広角カメラ

カメラは視野角152度の広角レンズで4ｋ30ｆｐｓまで対

応。今回のような濁った水中での撮影で対象に近づかなければいけない状況でも広い範囲を高画質で撮影することが可能だ。

・一式ケースに入るコンパクトさ

本体、送信機、200ｍコード、充電器、その他付属品が一式入るケースが付属するので移動はしやすい。

・電池もち

今回の撮影では一時間経過時に電池残量48％、二時間の撮影を充電無しで終えることが出来た。メーカー公表の駆動時間は2-4時間。今回の撮影は4ｋでの動画撮影、LED強常時点灯という条件を考えれば、妥当な数字だろう。

注意点

操縦者とコード管理の最低二人が必要という点。だか、これはオプションの電動リールを導入すれば解決する。

位置情報

M2は水中を潜行するためGPSなどの位置情報捕捉が使えない。護岸設備の点検などで長い距離同じような物体を撮影する場合などは致命的になるだろう。そのような使い道では、上位機種のM2PROに水中ポジショニングシステムの組合せがおすすめだ。

CHASING M2のスペック

寸法	380 x 267 x 165 mm

重さ	< 4.5kg

最大深さ	100m

最大スピード	3ノット（1.5 m /秒）

運転時間	3h (Still water, depth lock mode, 50% LED)

電池容量	97.68 Wh

作動温度	-10℃～45℃


カメラ


CMOS	1/2.3 インチ

絞り	F1.8

焦点距離	1m

ISOレンジ	100-6400

視野	152°

画像最大解像度	12メガピクセル

フォーマット	JPEG/DNG

ビデオ	UHD: 38402160 (4K) 30fps FHD: 19201080 (1080p) 30/60/120fps FHD: 19201080 120fps FHD: 38402160(4K) 30fps

スローモーション	720p: 8x (240 fps) 1080p: 4x (120 fps)

タイムラプス	4K / 1080p

ビデオストリーム	60 M

ビデオフォーマット	MP4

microSDカード	64 G(最大512GB)


LED


輝度	2 x 2000ルーメン

色温度	5000 K – 5500 K

CRI	85

調光	3つの歯車


送信機


寸法	160 x 155 x 125mm

重さ	685g

電池容量	2500 mAh

運転時間	≥6時間（環境によって異なります）

Wi－Fi	はい

HDMI出力	はい

ハンドルスプリング	最大サポート13インチ

販売ページ

https://www.rc-airstage.com/product_info.php/cP ath/950_983/products_id/17914

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岩崎量示さん

1979年4月生
埼玉県出身。2005年から北海道在住。旧国鉄士幌線の廃線跡に残るコンクリートアーチ橋・タウシュベツ川橋梁を2005年から継続して撮影。’18年1月出版の写真集『タウシュベツ川橋梁』（北海道新聞社）は全国書店で取り扱い中。
2020年4月『タウシュベツ日誌』を創刊。現在までに3巻を刊行している。
近年はドローンによる空撮映像にも取り組む。

HP: https://www.r-y-z.net/

YOUTUBE: https://www.youtube.com/channel/UCKrbYls0NizbDWuGe2wLLOQ